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染織基礎知識「組織」2

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組織図を読む

タイアップ

高機は、綜絖と踏木が連結しています。
踏木を踏めば、ろくろ式高機の綜絖は下がります。天秤式高機やレバー式織機の綜絖は上がります。どんな織機でも、綜絖が上下して経糸を開口させて緯糸を入れて打ち込む、その連続で織布が織られていきます。
なぜ、平織の経糸は1本交互に開口するのか。なぜ、綾織は2本交互に開口するのか。それは、そうなるように綜絖と踏木を連結させているからです。この綜絖と踏木の連結を「タイアップ」、連結の仕方を図にしたものを「タイアップ図」といいます。

ここでは、綜絖4枚、踏木6本を基準に例として記します。綜絖の枚数と踏木の本数は、高機の種類や機能により多様ですが、基本は同じです。
タイアップ図の書き方は人それぞれですが、書き出す方向や記号が異なるだけで、言わんとしていることは同じです。
踏木は、右から1、2、3、…と数えます。また、綜絖は手前から1、2、3、4と呼びます。
*踏木をA B C…と呼ぶ場合もあり、綜絖も織機の後ろから1、2、3、4と呼ぶこともあります。ここでは前記の呼び方に統一します。
*ここでは、ろくろ式高機のタイアップを中心に記しています。天秤式高機もほぼ同様のタイアップですが、綜絖と踏木の連結の仕組みが違うために、異なる箇所もあります。ご了解ください。

例:1
タイアップ図1

組織図の右下にタイアップ図を書く方法です。
黒く塗られている升目が、綜絖と踏木がイタリアンコードで繋がっている=連結していることを示します。逆に、塗られていない升目は繋がっていないことになります。
タイアップ図の左の矢印の方向に向かって、経糸の通し方を記します。上の矢印方向には踏木を踏む順序を書きます。タイアップ図の斜め左上に組織図が書かれます。

タイアップ図の右に「綜絖」と書かれていますが、数字の下から縦に1は「1番綜絖」、2は「2番綜絖」、3は「3番綜絖」、4は「4番綜絖」を表します。また、タイアップ図の下に「踏木」と書かれたところは、数字の右から1は「1番踏木」2は「2番踏木」3は「3番踏木」…と表します。


例:2
タイアップ図2

例1と同じ書き方ですが、タイアップ図の連結を黒白にすると組織図と同じような図になるために、敢えて別の記号で書きます。
升目ではなく、線状に印をつけることもあります。


例:3
タイアップ図3

例1、例2とは位置が真逆になります。組織図の右上にタイアップ図を書く方法です。
タイアップ図の左方向に経糸の通し方を記します。図の下部方向に踏木の順序を記していきます。タイアップ図の斜め左下に組織図が書かれます。


踏木と綜絖の連結の種類

この項では例1の書き方に統一します。例2のタイアップ図は記号が違うこと、例3の図は位置関係が逆になるために読み方も逆になりますが、組織の書き方は同じです。

上記例1、例2、例3のタイアップ図は、綜絖と踏木の連結が同じです。1番踏木は綜絖3と4が連結し、2番踏木は綜絖1と2。3番踏木は1と3。4番踏木は2と4。5番踏木は2と3。6番踏木は1と4。
タイアップ1、2、3は、HARU自身が「順通し」の「平織」を多用するために、踏木中央の3番と4番の踏木2本で平織を楽に織るようにタイアップしています。

綜絖と踏木の連結の方法は、特段の決まりはありません。組織により変えることも多くあります。
ろくろ式高機の場合、踏木1本に綜絖1枚のみ吊るすことは滅多にありません。これはろくろ式の特性で、綜絖のバランスが悪くなるためです。4枚綜絖の場合、踏木1本に綜絖2枚以上は吊るします。

*踏木1本と綜絖1枚のみ連結し、同時に2本の踏木を踏んで織るケースがありますが、この方法は使用したことがないので、割愛します。
通常は、織る人がよく使う組織に都合の良いタイアップをします。平織が織りやすいタイアップ、綾織に適したタイアップ、または、多種の織り方に適応できるようにするタイアップなどです。
多くの場合、2本の足で踏木を交互に踏み替えて綜絖を操作します。その際に、歩くように無理なく右足から左足また右足…と踏むと間違いが少なく、踏木を確かめる手間も少なくなります。そのために、自分に適したタイアップを知ることも大切です。
以下は、よく使われるタイアップ図です。
クマクラ織機のカタログのタイアップ図を参照にしています。

例;4
タイアップ図4

例1のタイアップ図と似ていますが、1と2、3と4、5と6の連結が反対になっています。


例;5
タイアップ図5

例1のタイアップ図の3と4が中央ではなく両端の1と6に離れて連結しています。綾織が織りやすいタイアップです。


例;6
タイアップ図6

綜絖1と3、綜絖2と4を踏木の左端に片寄せています。多様な組織を織る時に便利なタイアップです。


例;7
タイアップ図7

上記例1〜例6は踏木6本をすべて綜絖と連結してましたが、踏木が6本あったとしても、すべてを綜絖を連結させねばならないというわけではなく、踏み間違いをなくすためや限られた組織を織るために4本のみを連結させることもあります。


例7のタイアップは踏木の数が違いますが、例1〜例6のタイアップ図は、「綜絖1と2」、「綜絖2と3」、「綜絖3と4」、「綜絖1と4」、「綜絖1と3」、「綜絖2と4」の連結が必ずあります。要は、踏木の並び方が違うだけです。この連結を基にしたタイアップは、基本だといえます。
この基本のタイアップから、様々な組織の織物を織ることができます。

綜絖の表し方

綜絖-1

タイアップ図の右側の下から1、2、3、4の数字は、織機の綜絖を手前から数えています。後ろから1、2…と表すこともあります。この違いは慣習もありますし、織機の前から綜絖通しをするか、後ろからするかにも関わっているようです。
ここでは、手前から1、2、3、4と数え、タイアップ図では下から手前の綜絖を表します。
矢印の方向に経糸を通していく、綜絖通しを右端から始めると表していきます。そして、升目一つがワイヤーヘルド1本と考えます。

ただ、実際のワイヤーヘルドの数は100本、150本と多いものです。組織図では、それらをすべて書くことはありません。 組織には一定のパターンがあり、それを繰り返していることがほとんどです。その1リピートがあれば充分ですが、組織の連続を理解したいという時は、リピートを繰り返していきます。
矢印上の1から8の数字は、ワイヤーヘルドの順番を示しています。*通常の組織図ではこの数字は書きません。


綜絖-2

綜絖通しで、1-2-3-4と順番に通していく方法を「順通し」といいますが、この通し方を例にします。
綜絖の1、2、3、4の段から、ワイヤーヘルドの升目まで赤い線をひきましたが、綜絖1の線はワイヤーヘルド1に、綜絖2の線はワイヤーヘルド2に、綜絖3は3に、綜絖4は4に、経糸をこのように通すことを表していきます。升目1つがワイヤーヘルド1本なので、ワイヤーヘルド1の列を塗るのは1つのみです。


綜絖-3

ワイヤーヘルド1、2、3、4と綜絖1-2-3-4の位置が決まったら、その升目を塗ります。綜絖通しの表示の方法も様々ありますが、ここでは升目を黒く塗る方法で表します。


綜絖-4

順通しは、1-2-3-4の繰り返しで通します。5番目のワイヤーヘルドは綜絖1に戻り、6番目は綜絖2に。7番目は綜絖3、8番目は綜絖4に通し、9以降もその繰り返しになります。


綜絖-5

順通しでない綜絖通しの表示方法も同じです。綜絖通しと同じように右から左に、ワイヤーヘルドを表す綜絖の升目1つを塗り、経糸の通し方を表示します。
通常の綜絖の表し方は、矢印や数字はありません。この表示方法であることは、暗黙の了解になっています。


踏木の表し方

タイアップの項で記したように、ここでは踏木の表し方をタイアップ図上部に重ねていきます。この方法をとる理由は、織っている時の状態に沿っていると思うからです。タイアップ図の下部に踏木の順序を書くことも、表し方が違うだけで組織図の意味には変わりありません。

様々な組織に対応できるように、6本踏木で記します。また、右から1、2、3、4、…と踏木を表示します。
ここでは「平織」と「斜文織(しゃもんおり)」一般に「綾織」と呼ばれる組織の踏木の表し方を例にします。
平織も綾織も、その他の組織も、経糸の綜絖の通し方と踏木の踏み方があって、織物の組織となります。ここでは、綜絖の表し方の項の順通しを基に図を進めていきます。画面の都合上、綜絖の表示は1パターンのみになります。


踏木-1

タイアップ図の上部の升目1段が、緯糸1段になります。矢印の横に数字がありますが、これは緯糸の段数を表しています。*通常、矢印や段数を示す数字は書きません。

1つの段に2つの升目を塗ることはほとんどありません。例外として、1綜絖に1本踏木の吊り方や特殊な組織の場合は、2本の踏木を同時に踏んで織る場合もあります。


例:平織の踏木

綜絖が順通しの場合、平織を織る踏木は3番踏木と4番踏木です。以下、3番、4番と省略します。
1種類の緯糸で織る場合に限り、開口した経糸の右から緯糸を入れる時、右の3番を踏むと織り間違いが少なくなります。絶対の決まりではありませんし、複数の緯糸を使用する場合は、左右の手足はまったく関係なくなります。


踏木-2

3番の1段目の升目を塗ります。


踏木-3

2段目は4番の升目を塗ります。


踏木-4

順通しの平織は、3番と4番を交互に踏み替えて織ります。ですから、連続した踏木を表す時は、3番と4番を1段交互に塗っていきます。黒く塗った升目の上の赤い線は、この踏み順が連続していることを示しています。この線は、書かないでもよし、わかりやすく書いてもよいと思います。矢印や段数を示す数字を除き、平織の踏木の表し方です。


例:綾織=斜文織の踏木

順通しの綜絖、同じタイアップで織ることができる組織に綾織があります。綾織は、4本の踏木を使って織ります。 このタイアップですと、1番→5番→2番→6番の繰り返しが綾織の基本の踏木になります。


踏木-5

まず、1段目の1番の升目を塗ります。


踏木-6

2段目の5番の升目を塗ります。


踏木-7

3段目の2番の升目を塗ります。


踏木-8

4段目の6番の升目を塗ります。


踏木-9

4段の緯糸を表す升目を塗って、綾織の1パターンを書きました。このまま、連続して繰り返していきます。
綜絖と同じように、踏木もすべての緯糸を書き表すことはありません。1〜3リピートほどを書いて、組織の仕組みを知るようにすると便利です。

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