HARU

HARU 晴織物倶楽部


TOP | 教室 | 倶楽部について

染織基礎知識「糸」

糸の種類

天然繊維

植物性繊維と動物性繊維があります。

植物性繊維
綿

*紡績綿糸と手紡ぎ綿糸とに大別されます。

・紡績糸   …機械紡績した綿糸です。
スーピマ綿(アメリカ)、ギザ綿(エジプト)、新疆綿(中国新疆ウイグル自治区)が有名です。
上記の3点の綿種は長繊維綿の海道綿(かいとうめん)ですが、安価な紡績綿糸は短繊維糸の綿種を使用しています。

・手紡ぎ綿糸 …綿花を昔ながらの工法で人の手で紡ぐ綿糸です。
和綿を使用することが多いですが、短繊維のため紡ぎにくいので、長繊維綿を使用することもあります。和綿とは、古来日本で栽培され続けてきた綿種です。

*苧麻(ちょま)、亜麻(あま)の皮を加工して績むことを苧績(おうみ)といいます。

一般に売られている麻は、大きく分けて2種類あります。
・リネン … 亜麻が原料の麻糸。亜麻は、アマ科の1年草。
・ラミー … 原料が苧麻の麻糸。苧麻は、イラクサ科の多年生植物。

麻糸は毛羽立ちが大きく、糊付処理がされたものが売られていることが多いです。糊付がされていない麻糸は、糊付の必要があります。

原始布 または、自然布

*葛布、芭蕉布、榀布(しなふ)、藤布など、様々な植物の皮などから績む(うむ)糸があります。
いづれも古代から伝えられている布で、希少価値なものです。

動物性繊維

*絹は種類が多いですが、一般に2種類に大別されます。
・家蚕糸(かさんし) … 養蚕で得られる糸。
幼虫が1匹の蚕の繭から引いた糸を「生糸(きいと)」または「本糸(ほんし)」といい、幼虫の餌が桑の葉のため、白い光沢が際立つ糸になります。
幼虫が複数であったり、形がいびつな繭は生糸にはできませんが、節のある糸に紬ぐことができます。この糸を、「玉糸」といいます。

また、生糸にできない繭から真綿を作り、人の手で紬いだ糸は真綿紬となります。

・柞蚕糸(さくさんし) … 自然の状態で蚕を育てて得る糸。
餌になる葉の種類によって繭の色が違います。得られる糸も繭の色になります。黄絹(おうけん)は黄色い糸、天蚕(てんさん)は緑色の糸です。

・野蚕糸(やさんし) … 柞蚕糸と同一に言われることが多いですが、野生の蚕から得られる糸と考えた方が馴染むのではないかと思います。

・絹紡糸(けんぼうし) … 家蚕糸、柞蚕糸を問わず、捨てられるような繭や繭くずを紡績した糸。
家蚕糸のような光沢やつやはないですが、素朴な味があります。精錬をすれば、絹の光沢を出す紡績糸もあります。機械紡績のために丈夫です。

絹紡糸の番手は、糸問屋によってウール番手や綿番手を用いることもあります。

ウール
ウール以外の動物の糸

*カシミヤ、アルパカ、らくだなど、希少種から得た糸です。

合成繊維

化学合成により、天然繊維に似せて作られた繊維。アクリル、ナイロン、ポリエステルなど。
織物の糸として単独で使用することもできますが、天然繊維の付け糸として紡績に使用されることが多いようです。
(付け糸=主要になる糸に、変化をつけたり強度を増やすために撚糸する糸のこと)

紡ぐ・績む・紬ぐ

糸を作る時の呼び方や書き方も、各種類により違いがあります。
綿・ウールの糸 → 紡ぐ(つむぐ)
麻の糸     → 績む(うむ)
絹(真綿紬など)→ 紬ぐ(つむぐ)

糸の単位

糸の種類で呼び方は異なりますが、平均的な呼び方です。
1綛 < 1捻(ねじり) < 1玉(綿)または 1括(絹)
1玉は、1捻を数個集めて約10ポンド(約4.4〜4.5kg)に結束したものをいい、主に綿糸に用います。
1捻、1括の量は、扱う問屋により違いがあります。

番手(ばんて)

糸の太さを表す数字を番手といいます。
それぞれの繊維で、表し方と計算方法が違います。
*機械紡績の糸の番手、計算式で、手紡ぎの糸には適用しません。

綿

20/1、20/2と表示し、前の数字が番手、後の数字が撚り合わせた本数を表します。
例:20/1 … 20番手の糸1本の撚り糸。1本のみの撚り糸を「単糸」といいます。
 :20/2 … 20番手の糸を2本撚りあわせた糸。2本撚りあわせの糸を「双糸」といいます。
綿は英国式の数量単位が基になっており、1ポンドに10綛ある糸を10番手といいます。
10番手の1/2の太さの20番手の糸は1ポンドに20綛あることになります。
このため、20/1を2本撚り合わせた20/2と、10番手の単糸10/1は同じ太さになります。

綿糸の重さと計算式

1番手につき、
1ポンド = 約450g
840ヤード = 約750m *1綛の長さは標準840ヤードとされる(厳密には違う)*
上記の重さと長さから、
番手 = 450gある糸の長さ ÷ 750m
これが綿糸の計算式になります。
通常、番手から1g辺りの長さを知りたい時に計算します。

例:
30/2 の綿糸の1g辺りの長さを計算する場合。
30/2の綿糸は、15/1と同じ重さなので、30/2=15と考えます。
30/2 = 450gある糸の長さ ÷ 750m
15  = 450x ÷ 750m
450x = 15 × 750m 
x = 25m
1g = 25m
ただし、綿糸のうち網糸(あみいと)、ガラ紡、スラブ糸は上記の計算式は適しません。

番手の表示は綿糸と同じです。
麻糸は、問屋の価格表などの100gあたりの長さの記述や、綛の枠周を測って必要使用量を算出します。
麻糸の重さと計算式
1番手につき、
1ポンド = 約450g
300ヤード = 約274m *1綛の長さが約274m*
番手 = 450gある糸の長さ ÷ 274m

ウール

厳密には羊毛のことですが、混毛も同様の計算をします。
1/10、2/10、2/30と表示します。後の数字が番手、前の数字が撚り合わせた本数を表します。
ウールの計算式は番手そのもので表され、1/1は1g = 1mと読みます。

例:1/10 … 1g = 10m
  2/20 … 1g = 10m (20 ÷ 2 = 10)
  2/30 … 1g = 15m (30 ÷ 2 = 15)
このように、割り算をして1g辺りの長さを計算します。
この計算方法は、梳毛糸と紡毛糸のみに使用します。

繭から長く繰った糸を生糸(きいと)といい、生糸のデニール = d で太さを表します。
110中という表示は、平均して110dと意味します。
d × 撚り本数 = 番手 と表示します。

例:「110中2」… 110dの絹糸を2本撚り合わせている糸。
   110 × 2 = 220d 

生糸の場合、1d = 1g = 9000m となります。
ただし、絹糸は種類が多様なので、dから長さを求めることに煩雑さや無理もあります。

絹の枠周と上げ数から長さを割り出したり、ウールと同様の番手を使用する糸もありますので、そちらの方が使いやすいのが実際です。
*枠周 … 綛の1周の長さ。
*上げ数 または、回数 … 1綛何回巻かれているかの数字。
例:1.27mの枠周 × 2000回の上げ数 = 2540m = 1綛の全長

参考文献: 土肥悦子著 新技法シリーズ「手織りの基本」 美術出版社


HARU Top | Contact

Copyright(C) 2009-2019 HARU All rights reserved.