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糸染の工程「糸染の道具とその使い方」

タンク

糸染に使用するタンクは、寸銅型が向いています ステンレス製とホーロー製があります


タンク

ステンレス製は汚れがつきにくく、取り扱いが容易です 価格もホーロー製に比べ安価です ただ、硫酸、塩酸に弱く、タンクを傷めることがあります ステンレス製は熱が伝わりやすい性質がありますので、熱い染浴を運ぶ際には注意してください ホーロー製はほとんどの薬品に使用可能ですが、傷が付きやすく、表面のガラス質が剥がれて錆が浮いた時は使用できません 丁寧に扱う必要があります また、使用後に染料の色が付着しやすいので、こまめに汚れを落とすことが大切です ホーロー製タンク、ステンレス製タンクの両方を備えていると使い分けられて長持ちします 
天然染料を扱う時は、必ず2個は必要です 個人で糸染めに使用するには、20L、10Lの大きさが適しています

染色棒

染色棒

染浴の撹拌やタンクに浸した糸を繰るために使用します 直径3.5cm、長さ60cm程度の竹の棒が適しています 竹の棒は色が付きやすいので、数本持っていると便利です 他にステンレス製の染色棒を使用します 色がつきにくい良さがありますが、重いために扱いづらいことと、ステンレス製のために撹拌する液体の種類に注意をする必要があります

天秤ばかり

粉末状の染料や薬品を量る際に使用します 近年は電子秤も使用されますが、天秤ばかりの方が扱いやすく長く使用できます 使用する前に必ず目盛りが中央に静止しているかを確認し、もし左右にぶれていたら受け皿の下のネジで調節します 受け皿は、左側に分銅、右側に染料や薬品を盛ります 分銅の受け皿の下に薬包紙を畳んで置き、右側の受け皿の上に薬包紙を置いて天秤の目盛りを合わせます

分銅(おもり)

天秤ばかり用の分銅です 少量の重さは板状になっていて、0.1gが1枚。0.2gが2枚、0.5gが1枚あります 1g、2g、5g、10g、20g、50gが分銅の形をしています 1セットで総量100gになります 必ず専用のピンセットで扱います 指で触ると油脂が付き、錆の原因になると共に微妙に重さが違ってくることがあります

薬包紙

薬包紙

薬局や染料店で販売しています 天秤ばかりの皿の大きさに合わせて購入します 昔からある正方形のパラフィン紙が使いやすいです 汚れていないからと使い回しはせず、1回毎に使い捨てます 天秤ばかりの上皿に載せる時、軽く折り目をつけてから染料や薬品を量ります

薬さじ

薬さじ

通常染色に用いる薬さじはステンレス製かアルミ製です 大、中、小の3本のセットになっていることもあります または、柄の両側のさじ部分の大きさが違うものもあります 量る薬品の形状や量により薬さじの大きさを選ぶので、複数本あると便利です ステンレス製の薬さじは酸化性物質やに触れると腐食するので、それらの薬品の使用は避けます そうした薬品の使用には、木製のスプーンを代用します

ホーロー製ビーカー

ホーロー製ビーカー

タンクの液量を量る時や、天然染料の煎じなどに使用します 把っ手のある1Lのものが便利です 内側に100cc毎に目盛りが付いていますが、あまりあてにはなりません 厳密に量る場合は、メスシリンダーで実際の目盛りを確かめてから使用します ホーロー製なので薬品に耐性がありますが、ガラス質の表面が傷むことが多いので扱い方には注意します

メスシリンダー

メスシリンダー

1Lの大型と10ml〜20mlの小型の2種類が必要です 液体の薬品、液体染料を量ります プラスチック製のものもありますが、ガラス製の方が薬品の耐性に優れています 頻繁に使用するものなので、取り扱いには注意します また、薬品を注いだ後は必ず洗います

ボウル

ボウル

ホーロー製とステンレス製があります 大、中、小の3種類揃えた方が便利です 大きさにより用途は様々です 小ボウルは1つはホーロー製を用意します ホーロー製の小ボウルは染料や薬品の溶解に使用します 薬品を直接入れて溶かすので、ステンレス製は避ける方が安全です 少量の綛糸であれば、大ボウルで糸染めをすることもできます ただ、染浴の表面積が広いので染浴の酸化が早く、還元性の合成染料には不向きです また、タンクよりも昇温が早く底部が狭いので、糸ムラになりがちです 大、中のボウルは、天然染料の煎じに使用することが多いです また、糊付には不可欠です

乳鉢

乳鉢

粒状の染料を擂る時に使います 主にコチニールを擂ります 染め物の用途により大きさを決めますが、染料を擂る目的であれば、外径9cm程度の小型が便利です 割れ物ですので、扱い方は丁寧にします

温度計

温度計

液体の温度を測ります 0度〜100度まで測ることができるものが便利です 染料には、厳密に温度を守らねばならないものがあります また、しょうふ糊や布海苔の糊化を厳密に測る時にも使用します 出番は少ないですが、必需品です

上皿秤

上皿秤

綛糸の重さを量ります 目盛り5gから1kg〜2kgまで量ることができるものが便利です 調理用の秤はズレが激しいので、必ず特定計量器検定済のものを選びます 量る前に、目盛りは必ず正しく0を指しているかを確認します

ゴム手袋

家庭用ゴム手袋で充分ですが、厚手タイプの方が熱に強く使い道も豊富です 薬品は素手厳禁ですから、必ず用意します 一般にゴム手袋は色がつきやすいので、2、3着常に用意しておく方が便利です

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